前作のGT6からナンバリングを引き継ぐことはなく、「スポーツ(Sport)」という新たなネームを与えられており、今までとは異なるタイトルとなったことを示している。
なぜ"Sport"なのか
GT6までのナンバリングタイトルは、基本は同じレーシングゲームではあるものの、「カーライフシミュレーター」と題し、市販車が中心のラインナップとなる数百~1000を超える車種をコレクションしたりカスタマイズするという楽しみ方が主軸にあった。それと比較すると、今作は(ローンチ時の)車種数がそれほど多数ではなく、その内訳も「Gr.3」などのカテゴリー分けされたレーシングカーが主である。また、レーティングシステムや「FIAオンラインチャンピオンシップ」の存在など、「レースを楽しむ」「レースで競う」といったことにより焦点を当てた内容になっている点が過去作と大きく異なる。
Sportという単語の意味するところは「(気晴らしに)楽しむ」「競技性」といったことであり、本タイトルが目指している方向性を明確に表しているといえよう。
レースゲームとしての本作の特徴
グランツーリスモシリーズは伝統的に、実在する乗用車や架空・実在のレースカーを用い、同じく架空・実在の入り混じったサーキットを舞台に競うレーシングゲームであり、車両挙動も現実のそれを倣ったものである。また今作は前述のレーティングシステムの存在をはじめ、レース中にはフラッグルールやペナルティが適用されるなど、レースに関するシステムの強化が図られている。似たような系統のゲームとしては「iRacing」が存在するが、そちらが徹底的にモータースポーツのリアリズムを追及した上でコンピューターゲームに落とし込んでいるのと比べると、GTSはそこまでアグレッシブにリアルを追及せずに、ゲームとしての競技性やエンターテイメント性、そして何より間口の広さに重きを置いているように見受けられる。
今作はチューニング要素がクイックチューンで馬力と車重のパーセンテージを変更することしかできないし、デイリーレースなどの公式戦ではほとんどの場合セッティングも固定である。また、タイヤの温度や車両の前後重量配分といった重要な情報のほとんどが数値としては表示されず、実際にドライブした感触でしか車両の状態を窺い知ることはできない。
シミュレーターとしては物足りなさを感じるが、その分、特別な知識がなくとも己のドライビングだけで頂点まで上り詰められるシンプルさが、本タイトル最大の特徴と言ってもよいだろう。
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グランツーリスモシリーズは、どちらかというと難しいゲームという捉え方をされがちである。実際、初めてプレイしてすぐに上手に走れるというものではない。
また、モータースポーツにあまり馴染みがないプレイヤーにとっては、オンラインレースにおける多くの非文化されたマナーの存在も参入障壁となっていることは否めない。
本ガイドでは、ドライビングのためのノウハウに加え、そうした部分についても解説をしてゆく予定である。
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