そんなフリープラクティスでの走り方について、少し考えてみよう。
まずはゆっくり、確実に
すでに幾度となく走り込んだ組み合わせならともかく、そうでない場合は、例えよく知っているコースやクルマでも、走り方を完璧には把握できていないだろう。そのような状態でいきなりガンガン攻めようとしても、全く的外れな走行を繰り返すばかりで、まともに1周できるかどうかすら怪しいということになりかねない。最初はゆっくりとしたペースからスタートし、「絶対にスライドさせたり、コースオフやクラッシュをしない」 ような走り方でラップを重ねると、効率よく習熟が進む。
ラップタイムが揃ってくれば、セクタータイムに少々ばらつきがあっても、とりあえず安定して走れているといってよい。ここで一旦ランキングボードのリプレイを見てみると、自分の走り方とも客観的に比較できるようになっているはずだ。
その段階まで到達したら、レースに参加しても問題なく完走できるだろう。
あるいはレースペースや予選タイムを有利にするために、より速い走り方を探ってゆくことになる。
"とりあえず予選一発だけ"は成り立たない
デイリーレースは参加人数の割にはレース周回数があまり多くないため、予選の占めるウエイトはかなり大きい。プラクティスでできるだけ速い予選ラップを記録しておくことがレースを有利に運ぶカギとなる。そこで、マグレでもいいから一発速いタイムを出しておこうと、「いいラップ」が引けるまでガチャを回すかの如くリトライを繰り返す、という手法を採るプレイヤーは少なくないかもしれない。
しかし、「ベース」が伴っていないのにマグレに頼っても大したタイムは出せない。例えば普段トップより3秒も4秒も遅いプレイヤーが、どんなことがあっても突然トップタイムを出すようなことはないだろう。
筆者の主観では、マグレでゲインできるタイムは多くてもおよそコンマ3秒程度である。それよりも大きくジャンプアップした場合は、単にペースが不安定すぎるので、レースで苦労することになる。
ベースが完璧=最速の走り方が完全に頭に入っている状態なら、あとはその綱渡りを1周つなげるだけだ。しかし、そうではない大多数のプレイヤーがするべきことは、運を天に任せることではなく、良いタイムが出せる素地を作ることだといえる。
結局のところ、レースペースを向上するのにも、タイムアタックの記録を伸ばすのにも、地道な努力が必要な点には大差がないのである。
消耗ありの状態だけは、別途練習が必要
フリープラクティスだけではレースでの走り方が練習できないので不十分、と考えるプレイヤーもいるかもしれない。しかし単独走行でもコースの形状や道幅などは十分把握できる。失敗してラインが膨らんだりしてしまった時の経験も役立つだろう。周りにクルマがいるときのポジションどりやブレーキングポイントの変化といったことは、どちらかというとレースそのものにおける考え方や慣れの問題であり、コース毎に特に練習する必要があるものではないと筆者は考える。
なのでフリープラクティスだけやっておけば他に準備運動は必要ない・・・と言いたいところだが、タイヤ消耗や燃料消費が設定されているレースの場合はその限りではない。
消耗ありのレースでもプラクティスは消耗なしになる。同じコンディションのまま連続して走行できるのでベースの向上には役立つが、一方で燃料の量とタイヤの摩耗による挙動の変化や燃費計算については全くわからない。
デイリーレースではそこまでシビアになる必要はないかもしれないが、1度しか参加することのできないFIAのレースでは、別途カスタムレースやオープンロビーで消耗ありの練習をすることは必須といえる。
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今回は、「ベース」という言葉が登場した。何も考えたり意識していないときの、普段の走り方というようなニュアンスで使用している。
ではベースを向上させるためにはどうしたらよいのか?それについては今後のパートで解説してゆく予定なので、しばらくお待ちいただきたい。
いつも為になる記事をありがとうございます😊
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