2018年12月31日月曜日

ライン取り・基礎編


いかなるレースゲームにおいても、ライン取りというのはかなり重要な攻略ポイントに当たる。
もちろんゲームに限らず実際のモータースポーツでも大きなファクターとなるが、いずれにせよ、初心者にとっては何をどうしたらよいのかなかなか見当がつきにくい部分だろう。

今回は「基礎編」と題し、ゼロからライン取りを考え、実践するための基本を解説する。



ライン表示はオフに
まず徹底して欲しいのが、「ドライビングライン」の表示をオフにすること。
多くのレースゲームにおいて同様の機能が存在するが、ほとんどの場合ベストなライン取りになっているとはいえず、最終的には無視して走らざるを得ない。
初心者にとっても、これが表示されているとそればかりに注目してしまってコースをしっかりと見ることができず、表示を消したときにどう走ったら良いのかわからなくなってしまう可能性もある。
多くのタイトルにおいて、こうしたライン表示はAI用に指定してあるラインを流用しているに過ぎず、かなりコンサバティブだったり、あるいは全く的外れなものだったりすることもある

すべての基本、アウト・イン・アウトとは
本題に移る。
アウト・イン・アウトとは、読んで字のごとくコーナーに外側から進入し、頂点で内側に寄り、出口で再び外側に寄るということを表す、ライン取りの基本中の基本である。

アウト・イン・アウトのラインを取る理由は、大きく分けて2つある。

1.速度を上げるため

アウト・イン・アウトで走行すると、走行軌跡が緩やかになるため、その分高いスピードでコーナリングすることができる。

2.走行距離を短くするため

コーナーの内側を走行すれば走行距離を短縮することができ、その分速くコーナーを回ることができる 。その点から考えればインベタが最も距離が短いが、窮屈なラインとなってしまい速度が低下する。
コーナーの頂点付近だけでもイン側を走行すれば、距離を短縮する効果は十分得られる。


ただコースの端から端へ行ったり来たりするだけではだめで、これら2つのバランスをどうすれば最も時間短縮に繋がるかを考えながらライン取りを探る必要がある。
大雑把には、高速コーナー・短いコーナーでは速度を重視し、低速コーナー・長いコーナーでは距離を重視するとよい。

まずは「エイペックス」をしっかりととる
初心者はまずコーナーの頂点で確実にイン側を通れるようにしたい。
頂点で最もインに寄ることを、ゲーム内では「エイペックスをとる」と呼んでいる。エイペックスではなくクリッピングポイント、略してCPやクリップと呼ぶこともある。
エイペックスをとることが重要な理由は、上述した「速度」と「距離」の両方に対して有利に働くためである。
緑のアウト・イン・アウトに対して、青のインベタは曲率がきついものの、距離が短いというメリットがある。赤のアウトラインは距離が長い上に曲率も緑のラインよりきつくなってしまっており、インを逸してしまうのはデメリットでしかないことがわかる

どこまでインに寄るかは、もちろんイン側であればあるほど良いが、ショートカットペナルティを受けたり、縁石に弾かれたり、グリップ低下の影響を受けたりすることは避けなければならない。これはアウト側に寄る時も同様だ。


エイペックスの位置も重要
インにつけていればなんでも良いというわけではない。コーナーのどこにエイペックスをとるか、というのもコーナリングの良し悪しに大きく影響する。
エイペックスが手前すぎると、進入は楽だが脱出でなかなかアクセルが踏めなくなってしまう。逆に奥過ぎると、脱出は楽になるが、その分コーナー前半が遅くなる。

エイペックスの位置が適切かどうかは、コーナー出口を基準に判断すると良い。
出口でアクセルを全開にするまでの「待ち」が長すぎると思ったら、もっと奥にエイペックスをとる。反対に、十分すぎるほど早くアクセルを開けているにも関わらず「道幅が余る」と感じたら、もう少し手前にエイペックスを移し、その分進入スピードを上げてみれば良い。
F1アブダビGPのヘアピン。かなりのレイトエイペックスとなっているが、これには軽量かつ大パワーなF1マシンの特性も影響している

スローイン・ファストアウトで滑らかに走れるラインを探す
最速で走れるライン取りというのは、つまり同じ速度なら最も余裕をもって走れるライン取りということになる。その意味では、ライン取りを探る際に必ずしも実際にスピードを出して走る必要はなく、単純に不自然なステアリングの切り方にならないよう滑らかに走れるラインを探すようにするだけでもよい。

逆にハードに攻めてブレーキングでオーバーランすれば、そのコーナーの後半のライン取りが何もわからなくなってしまう。
まずは出口でスムーズにアクセルを踏んでいけるように後半のライン取りやエイペックスの位置を先に見定め、そこに至るにはどうしたら最も速いだろうか?という観点でブレーキングポイントやターンインの仕方を決めるのが、ライン取りを考えるときの基本。
慣れないうちはスローイン・ファストアウトを徹底しよう、ということである。


***


今回はあくまで基礎編なので、細かい部分の解説は割愛してしまっている。
とはいえ、本稿で解説したことを念頭に「考えて」走ってみると、ライン取りについて少し理解が深まるはずだ。
次回はより実践的な内容の解説をする予定。

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