予選
予選はアメリカ代表のフィリックス(FT_Ant)選手が走行。これは事前にそれぞれの家でタイムアタックしてそのタイムを勘案しながら決めました。 また、フィリックスは直前のアメリカリージョンファイナルにも参加しており、本番環境への適応も問題ありません。逆に自分はライブイベントの経験が全くなく、本番用筐体もお台場のe-Circuit Trialでちょっと走ったことだけしかないので、今回はチームメイトに任せたほうがよいと考えました。そのため、自分では予選シミュレーションを走ることはほとんどしていませんでした。
後から考えれば、ここで自分もちゃんと予選シミュレーションしてればなぁ・・・と思います。
チームは予選セッションはピットインせず2周目からアタックし、3周目をバンカーとして残すという選択をしました。同様の選択をしたチームはほかにもありましたが、結果はお察しの通り・・・。
フィリックスはどこかでミスをしたらしく最初のアタックラップを8分6秒台で終えましたが、そのミスを取り返そうとしても3周目のタイムの落ちは激しく、頑張っても9秒台程度が限度というところ。
結局2周目のタイムが適用され、なんと13位に沈む結果に。
2アタック目を残しておいたところで、2周目でミスったらどちらにせよ下位グリッドは確定的なのに、そのことに気づいて作戦を変えるよう進言できなかったのは、完全に研究と見通しが甘かったと言わざるを得ません。
決勝
決勝の戦略は予選の前から組んでおり、ヨーロッパ代表のベントレー(mclaren6)選手がハードでスタート、次がミディアムで自分、最後の3周をフィリックスがソフトで走るというオーダー。本来は予選で前に出てハードタイヤで後ろを詰まらせるというアグレッシブな作戦でしたが、結局周りの下位勢と同じコンサバなものに。しかし上位勢はミディアムスタートですら大変なことになっていたので、これはこれでよかったと思う・・・。
また会場入りしてから変更された燃料のルールに合わせ、第1、第2スティントはショートシフトなどで燃費を稼ぎピットで前に出られるようにしようという話もしていました。
そして始まった決勝レース。プラクティス中にひと悶着あったものの、ベントレー選手もワールドツアー経験者なので彼のスティントについてはあまり心配していませんでした。
しかし、どうやら序盤、GPコース最後のS字でホンダをオーバーテイクした際にショートカットペナルティをもらってしまったようです。
結果、ペナルティ自体は2秒弱しかないのに、ロングストレートでの強制消化により4~5秒近いロスとなり、11まで上げたポジションをまたスタート順位まで戻される結果となってしまいました。
また2周目にもアクシデントがあり一時最下位まで後退。ここで正直私のメンタルはかなり萎えていたと思います。
それでもまだピット戦略で前に出るチャンスはありますから、レースを投げ出すわけにはいきません。
ミディアムにスイッチして無給油でコースインしたコルベットは、給油作業をした他車よりも前に出ることができました。結果、前がクリアな状態になったので、燃費をセーブしつつコーナーはなるべく攻めなければなりません。
ところが、なんだかクルマがいつもより滑る・・・。
プラクティスでは2周しかしていなかったため、本番用筐体への習熟が不十分だったようです。別部屋に置かれていた試遊機でブレーキMod入りのT-GTには十分慣れることができましたが、本番用筐体とはディスプレイの大きさや位置が異なるため、スピード感の違いにうまく対応することができていませんでした。
結局、緊張もあってかシューマッハSでターンインのタイミングがずれ、あろうことか自分までショートカットペナルティをもらってしまうという地味に痛いミス。
また、カルッセル手前で自分のクルマが放送に捉えられているのが見えた瞬間変に力が入ってしまい、用もないのにバンクを飛び出す瞬間を激写されてしまいました(泣)
あとで放送見返してもその部分には特に触れられずスルーされていたので余計悲しい・・・。
そんなこんなでメンタルズタボロになりながら、これ以上くだらないミスはしないようにととにかく丁寧に、燃費もセーブしながら走行を続けました。
途中スピンしていたホンダに追いつきましたが、抜けそうにないと判断し燃料マップも調節しながら後ろについていくことに専念しました。
こうして地味な第2スティントが終了。
2回目のピットでは燃料をセーブしたおかげで少し前に出られるかと思いましたが、1回目で給油していたチームもありここでは順位を上げることができません。
そもそも給油速度が3L/秒であっても上の画像では最大でも4秒程度のゲインしかないため、燃費セーブがそこまで効果があったのか微妙なところです。周りのチームも当然燃費はセーブしていたのでしょうが・・・。
第3スティントは我らがエース、フィリックスが担当。コースイン直後は2.4秒あった前走者との差をみるみる詰め、中盤でオーバーテイク。さらに5周目ピット組の集団にも追いつき、わずか1周と少しで4つもポジションアップ。目の前も集団になっており、その中にはミディアムやハードを履いた車もいます。
ここで悔やまれるのが前半2人のペナルティ。それがなければ8~10秒程度前に居られた可能性があり、表彰台を争えていたかもしれません。いや、せめて自分のペナルティさえなければ・・・
しかしミスがなければもっと上位争いができていたのは他のどのチームも一緒でしょう。たらればではなく実際にミスをしなかった・アクシデントに巻き込まれなかったチームがその時上位にいたのです。
その後も、前を走るアストンマーチン・三菱とともに順位を上げていくコルベット。
ファイナルラップの北コースに入ったところでスバルと壁の間に挟まれスピンさせられてしまいましたが、スバルにペナルティが課せられ、最終的には7位でフィニッシュすることができました。
総評
私にとってこのワールドファイナルは初めて参加した大きな公式イベントでした。お台場のリージョンファイナルは現地で観戦していましたが、いざ選手として参加してみて最も感じたのは、みんなの真剣さでした。オンラインや事前の練習では割としっちゃかめっちゃかだったりするのに、本番ではしっかりまとめてくる集中力はさすがとしか言いようがありません。
特に予選ではほとんどのチームが実質1周しかないアタックラップを確実に、それでいてとても速いタイムで決めてきていたのが、正直意外でした。
それと比べるとレース中の自分は全然プッシュしてるわけでもないのに変なミスをしたりでダメダメだなぁと思わざるを得ません。
イベントそのものは楽しかったですし、モナコ訪問という貴重な体験もできました。
ですがレースの方は不完全燃焼。初ライブイベントということもありいろいろな課題が見えたので、来シーズンに向けてそれらを改善し、2度目の出場につなげていきたいと思います。
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