クルマを限界まで速く走らせるためには、針の穴を通すような正確な運転操作が必要だ。
その正確な運転操作のために大事なのが、正確かつ詳細な走行のイメージである。
例えばブレーキングポイントやエイペックスの位置のように目印をつけられるものだったり、言葉では説明しにくいステアリングの切り方やペダルの微妙な踏み加減、細かなライン取りなどが含まれる。
あやふやなイメージしかない状態では、実際の走行も周ごとにバラバラになってしまいペースを上げることができない。
逆に、正確なイメージを持っていれば、例え先の全く見えないブラインドコーナーでさえも、タイヤの限界を引き出し続けながらキワのキワまでコース幅を使うようなコーナリングを毎ラップのように繰り返すことが可能になる。
高精度なイメージを構築するためには、まず土台となるクルマの挙動とコースの詳細な形状という二つの要素を正確にイメージできるように(=イメージと実際に走った結果が一致するように)走り込む必要がある。どんなに理想的なイメージをしても、それが全く的外れなようでは意味がないからだ。
初心者の場合は、特にクルマの挙動に対するイメージが貧弱なため、この作業に非常に多くの時間を要することになる。
逆に熟練ドライバーになれば、すでにインプットされている様々なパターンの挙動やコーナーの形状から近いものを当てはめていくだけでよいため、初めてのクルマやコースでもすぐにイメージを掴み、少ない周回数ですぐにタイムを出すことができる。
イメージ通りにクルマを走らせるコツとしては、あまりイレギュラーな挙動が出ないように、丁寧な操作を心がけること。
イメージできない挙動は制御もできない。常にクルマを制御下に置く感覚を大事にしたい。
さて、クルマの動きやコースの形状が理解できても、それだけではベストな走りをイメージをするのは難しい。
しかし、とりあえず安定したタイムで連続周回できるくらいの走行イメージがあれば、あとはタイムトライアルのランキングボードにあるリプレイやトッププレイヤーのオンボード映像などと比較して差分を修正していくことでベストな走行に近づけることができる。
自分の走りのイメージがはっきりしていればいるほど、より細かい差も認識できるようになり、他人の走りを真似しやすくなるのだ。
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